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Justice

先日、運転免許の更新でDMV(Department of Motor Vehicle=自動車管理局)に行って来た。朝早く起きて長い列に並ぶ。半日はかかる覚悟。免許更新なのでしょうがない。ようやく自分の番が来て受付に行くと何とここでは免許更新が出来ないと言われる。理由は以前スピード違反の罰金$635(約7万円弱)が払われていないらしい。5年も前のことらしい。記憶にない。でもこれを払わないことには前に進めず更新も出来ないということで泣く泣くひどい渋滞の中、午後の仕事も休んで、1時間ほど車で走って裁判所へ支払いに行く。またまた長い列に並んで裁判所で理由を話すとそんな記録はないらしい。俺もないと思うけど。

結局、詳しく事情を説明したら最後にお偉いさんが出て来て曰く、こちらのコンピューターミスで悪かったと。というわけでまた朝から並んでいたDMVにまた1時間ほどかけて戻ったがもう既に夕方で閉まる前。この罰金不払いの記録(コンピューターミス)の為に前回の更新までは手軽にネットで、それも自宅で免許更新出来ていたのに今回だけ出頭を求められたわけだ。納得出来ないけど納得。

翌朝、また朝早く起きて並びに行く。今度は問題なかったが運転免許の筆記試験を受けなければならないらしい。そしてそれには前もっての予約が必要らしい。運転免許試験なんて10代の頃、いつ受けたかももう覚えてないくらい昔。突然言われても受かるかどうか。コンピューターミスは裁判所の間違いでDMVでは理由はどうあれ、こういうケースは最初からやらなければならないらしい。でも私の話を聞いて下さいということでまた最後はお偉いさんに来て頂き(この国は上の人と話さないと駄目)一から説明する。っていうか誕生日がそろそろ来て免許が失効すると運転が出来なくなってそれも困る。仕事が出来ないし往診にも行けない。こちらも笑顔ながらもかなり必死に食い下がる。アメリカは今後、運転免許などの身分証明書にかなりうるさくなる。来年からは普通の運転免許では充分な身分証明書にならなくて国内線の飛行機にすら乗れない。今回も申請にあたって電気代、所得税、医療保険、医療機関からの明細書、そしてグリーンカードやパスポートの提出など複数を求められた。日本のようなスパイ天国ではないので最高レベルの身分証明書を持っていないと移動すら出来ない。世界はそういう方向で動いている。

結論を言うとまぁ今回だけと全て免除されて朝8時に並んで写真だけ撮って9時には終わった。お役所仕事なので半日は覚悟していたので一安心。まぁこんな間違いは今回だけにしてほしい。この国に来て自分の正しい権利を主張することを学んだ。日本人は色々言われても黙っていることが多いし、美徳かも知れないがそれは世界では全く通用しない。日本の謙虚さや寡黙さは本当に素晴らしいが、同じ民度の人間で通用することで世界から見るとそこは格好の攻めどころとなる。

昔、移民局のミスと言うか弁護士の力不足というか、1999年に働きながら大学院に通っている途中、労働ビザの関係で日本に帰国を余儀なくされたことがある。日本で8ヶ月も待って結局新しい弁護士と自分の正当性を主張してそれが認められた結果問題なくビザも出て、またこの国に戻って仕事が出来るようになった。グリーンカードを申請する時は日本人弁護士に詐欺られて20万ほど取られて逃げられた。悔しいけど泣き寝入りだった。学生だったので経済的にもかなり辛かったことを思えている。どこの国にも悪いやつはいるし、人生色々ある。

米国は問題も多いし、闇の部分もあるし、日本みたいに行かないもどかしさもあるけどいいものはいい、悪いものは悪いという日本が明治の頃に持っていた正義感のような気概がまだ国民レベルで残っているような気がする。間違っていたら直ぐ訂正しようとする。正義がないようで、かならず勝つとは言えないけど、でも粘れば負けない気がする。日本はかなりの長い歴史があるがこの国は日本と比べるとまだ生まれたばっかだ。しがらみや忖度など余計なことをスキップする合理的な良いとこもある。

正義と自由の国、アメリカ合衆国。

30年住んでもまだ嫌なところもあるけど、一般的にはまだ正義が通る(と思う)。複雑な世界情勢の中、日本も時代に合わせて変わらなければならないと思うが正直者がバカを見ない社会、正義がなくならない国であってほしい。今後いろんな国から移民も増えるだろうが民度や徳や正義が本当の日本人としてのアイデンティティーとしていずれ問われる時が来るかも知れない。

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