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全ては経験

大学アリーナがパンパン!

只今、新日本プロレスの興行イベントでLos Angelesのダウンタウンで仕事中。

今日俺はアスレティックトレーナー&鍼灸師ということで選手をサポートしている。鍼治療だけでなくマッサージもやる。テーピングも普通のテーピングではなく選手のリクエストに特別に応える形で大抵はカスタムテープになる。

今日の面白かったテーピングは肩が外れないように、外旋も少し制御して、外転を90度まで、上腕二頭筋にかからないように、でも長頭の付着部は抑えてほしい、ホワイトテープとキネシオテープとライトプラストをうまく使ってほしいとリクエストされた。なんかちょっと嬉しくなる。昔、大学のフットボール選手からよくとんでもない注文言われて、なんとか巻いて気に入ってもらえて、(テープが必要な時は)必ず俺のとこに来てくれるのが嬉しかったのを思い出す。英語がネイティブに比べて断然劣るからどこかでカバーしなければトレーニングルームで絶対的な市民権を得られなかったあの頃。使えない奴はトレーニングルームにいらないし、邪魔なだけだとよくヘッドが言っていた。渡米前に岩崎先生に教わった足関節テープで先ずなんとか認められてまだ英語学校の生徒で大学生でないのにトレーニングルームで働かしてもらった。英語がうまく喋れなかったのでテーピングとマッサージでは誰にも負けないようにと練習した頃が懐かしい。テーピングって誤魔化しても巻かれる選手はよくわかってるんだよね。トレーナーが選手に見栄張っても、誤魔化しても、余り通じない。特にオリンピック選手やプロレベルでは直ぐバレる。だから学生のうちにいっぱい挑戦して、失敗して、指摘されて、もっと練習して、徐々に成功体験も増やしてから本物の舞台に上がったほうがいい。若い人は失敗を恐れるとか言われるけど俺だって若い時は怖かったときもあった。でも一番怖いのは本番でへまること。テレビ中継で自分のテーピング映されてへまったら恥ずかしいだろう。

普段あまりマッサージはしない。クリニックでは鍼治療で他の患者さんが部屋にいるので一つの部屋でずっとマッサージをしていられないからだ。鍼なら置鍼しながら三つくらいの部屋を回れるけどね。今日は久しぶりにもくもくとマッサージもしている。みんな一応にデカイ。そりゃプロレスラーだもん。肘も使うし、手根も使うし、親指も使う。でもみんな良い筋肉をしているからマッサージしてて楽しい。俺はマッサージするのもされるのも好きです。

そんな大きい選手たちに顔に使う細い短い鍼を使って全身をAcu-Zone治療する。

手順も効果も普段と変わらない。大きかろうがアメリカ人であろうが同じ人間。

俺たちがプロとしてアスリートに問われるのは技術の普遍性なのかも知れない。

二メートルくらいのレスラーが鍼怖い〜っていうから、大丈夫だよ〜って言って2,3本でキレイに取りきると破顔してお礼を言われる(レスラーはみんなナイスで物凄く礼儀正しい!)。これが鍼灸師冥利に尽きるってわけよ。

効果も相手の態度もビフォー&アフターで大違い。

色んなスポーツ、色んな選手、色んなスポーツ障害に対して色んなテープを巻きたいし、治療もしたい。いくつになってもこれが将来の経験値に繋がることは間違いない。どんなに大きな選手が来ても、どんな痛みでも今では落ち着いて対応する。もちろんうまく効果が出ないときもある。落ち込む時もある。落ち込むのも才能って聞いてからは自信持って落ち込んでる。でもそのまま負けたくないからどうにかしたい、この連続。

本当の勝負の時、大事な治療の時、落ち着いて治療が出来るように経験値だけは増やして行きたい。レスリングであろうと、プロレスであろうと、柔道であろうと、俺が治療家である以上スポーツに区別はないし、制限もない。

俺の相手は疾患。アスリートと同じように勝ちたい。

今コーチが一所懸命育てて、俺も治療してて、将来素質もあるしビックになること間違い無しの若手レスラーが今日デビュー戦なのでコーチに誘われて今からリング横で観戦。

彼らの活躍はみんなもテレビで観れる。俺は悔し涙を流しながら自分を鍛えている彼らの日常を見てる。だからスポーツは素晴らしい。そんな選手をサポートする俺たちトレーナーと言う仕事を誇りに思っている。何回もburn out(燃え尽きそうになる)しそうになった時、いつも助けられるのは本気で突っ込んで頑張ってるアスリートの心意気。そんなの見せられた日にゃ、こっちもメソメソしてられんやろ。トレーナーなんかただの縁の下の力持ち。影武者とはよく言ったが表に出ないし、そんなに評価ももらえない。だけどアスリートはわかってくれていると思うし、それだけで充分。俺たちはプロフェッショナルだからだ。

“物理的であれ、なんであれ、いつも自分のやることに制限をしてしまうと、それはあなたの仕事や人生にも広がってしまう。限界などない。停滞期があるだけだ。そこに留まってはいけない。それを超えて行くのだ”

                                              ブルース・リー

 

今回は治療やテーピングで忙しく会場で写真をとる暇もなかったので前回9月に母校カリフォルニア州立大学ピラミッドアリーナで行われたイベントの写真を使わせて頂きました。

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