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スーパーヒーロー

 

 

 

昨日の土曜日、クリニックでの治療が終わって家路に向かう運転中だった。

もうあと1週間で夏時間が終わり、だんだんと早く暗くなる少し前のハロウィーン。

昼間は暖かくてもこの時期夕方6時を過ぎると軽く冷え始める。

この寒暖の差からかオフショアの風なのか空がピンク色に染まってくる。

 

 

 

ロサンゼルスのダウンタウンからまっすぐ海へ伸びるサンタモニカブルーバード。

信号待ちをしていた俺の車の前には1台のバイク。

そしてそのバイクの前を老夫婦が横断歩道を渡り始めた。

そのおじいさんの腕に掴まりながらゆっくりゆっくりと歩き始めたおばあさん。

 

なんとなく微笑ましい光景の横でハロウィーンの仮装をした大学生らしき白人の男の子3人がふざけながら大声で話していた。内容はもちろんわからない。でもしきりにカスワード(Fu**king)を使って盛り上がっていた。俺はカスワードが苦手だ。使うことによって人格というか人間のレベルが下がるような印象を受けるのはそれに慣れていない日本人だからか。学生時代はトレーナーとしてフットボールや野球、バスケット選手らあれくれ共らと一緒に付き合ってたからそこまでではなかったが今は聞くと少し不快に感じる。

 

 

その3人の衣装はスパイダーマンとバットマンとあと一人はなぜか、バナナだった。

3人組はハロウィーンパーティーにでも行くのだろうか?

サンタモニカブルーバードのハロウィーンパレードは有名だがこの近くのUCLAの学生なのかなくらいに眺めていた。

 

 

 

歩道の信号が点滅し始めた。老夫婦は片側3車線を歩き終え、対向車線の3車線に入り始めていた。でもだが誰が見ても間に合う速度ではなかった。

 

そんな中、3人組のスパイダーマンとバットマンが対向車線に走って行き、最前列の車の前に立ち両手を上げてとうせんぼの形をとった。それに続いて間抜けなバナナがその老夫婦の車側の脇に寄り添うようにしてゆっくり歩幅を合わして歩き始めた。

 

彼らの信号は既に赤。

俺たちにとっては青。

 

でも誰も発進しなかった。俺達の車線は歩行者が誰もいないので動き始めてもいいのにそれでも誰も動かなかった。時が止まったような感覚。

 

 

老夫婦が渡り終えたところで周りの車がクラクションを鳴らし始めた。俺も鳴らした。

みんな3人のスーパーヒーローの活躍に喝采するようにクラクションの拍手を鳴らした。

 

 

たったそれだけのことだった。別にそこまで感動するようなことでもないし、日常どこにでもあり得る風景だったに違いない。だが一部始終を見ていた俺にとってはほんとに微笑ましい光景だった。さすがスーパーヒーロー達。特に間抜けなバナナの活躍が嬉しかった。きっとあの老夫婦は彼らに感謝して別れたんだろうな。俺はもう既に発進してそのあとは見れなかったけど、人間のほんの一瞬の気遣いというか優しさに心が暖かくなる光景だった。

 

 

 

俺も来年のハロウィーンはバナナで治療しようかなぁ。患者さんが笑ってくれたらまずそこで治療の一歩でしょ。バナナが治療してびしっときれいに痛みとったら、、、そして患者さんがまた笑顔くれたら、、、お互い幸せだな。

 

 

今日はHappy Halloween 2021

来年は出掛けてみようかな。

 

 

 

 

 

 

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