川崎で岩崎師匠の* Pep Talkに部外者なのに特別に参加させて頂きました。前回何年か前に東京での私のテーピングセミナーで一緒に先生とコラボさせて頂いた以来でした。毎回のことながら先生の話術や資料の使い方、目配り、話の抑揚や間のいい冗談など、笑いと涙(今日も何回か気持ちのいい心の汗をかいてしまった、、、)のPep Talkに感激しながら今回は治療家として(前回はトレーナーの立場で)聞かせて頂きました。
治療家として大切な技術はここでは少し置いといて、コミュニケーションツールとしてPep Talkをどう治療に活用するかに焦点を当てて聞いたところ色々な発見がありました。
先ず、選手がスポーツの技や力を磨くようにリーダー(治療家)は言葉の力を磨くということです。ポジティ語(ポジティブな言葉がけ)を使い、例で言うと、難しい=やりがいがある、ミスをするな=思い切ってやれ、と言うように可能な限り肯定的な表現をすることが大事になってきます。これは患者さんに対してあなたの疾患は治療が難しいだとか、治りにくいとか、大変な症状だとか、治療前に負のイメージを植え付けないこともポイントになってくるわけですね。実際治療の際にこっちの考えをそのまま素直に伝えることが多いですが患者さんの立場を踏まえ、マイナスの想像をさせるより、ポジティブな言葉で “して欲しい” 事を伝え、成功をイメージしてもらうのが肝要です。
“このままにしてサボっていると肩の痛みは酷くなって動かなくなるよ”
というようなよく使う脅かしの負のイメージの言葉より、
“これからしっかり治療してまた以前のように動けるようにしていきましょう”と成功のイメージを作り、患者さんにわかり易い言葉できちんと説明、指導(例えば家庭で併用して出来る運動療法も加えて肩の関節可動域が上がるように)同調してもらい、 とポジティブに二人三脚での治療をすることの方がいいかもしれませんね。
また初めて鍼治療を受ける患者さんに“鍼は痛いよ〜”と言って打つより軽い冗談などで緊張を解くような気持ちで、ポジティブストロークで好印象を与える方が治療効果も高くなると思います。いつもセミナーやブログで言ってることですがわかり易く治療の説明を加えると患者さんも良い治療効果をイメージしやすいし、それが自然治癒力(=治療効果)向上に繋がると思います(それが僕らの氣の仕事!)
施術する私達の側も“これで効くのかな?大丈夫かな?効果あんのかな?”より、治療後に患者さんから笑顔でお礼を言われてる自分を想像するくらいの成功のイメージを自分で持ちながら治療したほうが効果もいいでしょう。イメージは現実になると言われています。このマインドセットがここで大きな分かれ目になるわけです。
今回は私が勝手に“指導者”を“治療家”に置き換えて考え、患者さんの笑顔のためにどうすればより良い治療が提供でき、信頼関係(ラポール)を創り出せるかで自分の考えを述べたつもりです。そして自分自身(セルフペップトーク)に対して意識的に良い言葉を選んで言い続けることで意識や心のあり方を変えることも出来るのです。
”今までの人生は今まで吐いた言葉で出来ていく。これからの人生はこれから吐く言葉で出来ていく”
多くの指導者やトレーナーがPep Talkを理解し、実践していけばそれこそワクワクする世界が拡がりそうな気がして、そして自分自身の今後の治療も大きく変われる気がした一日でした。
百聞は一見にしかずで興味のある方は是非、参加してみて下さい。
あなたのトレーナー活動、治療活動、(もしかして人生?)が一変すると思いますよ。
“出来る、出来る、必ず出来る!”(三三七拍子調で)
*Pep Talk – 選手、生徒、部下などを励ますのに、監督やコーチなどの指導者が試合前(本番前)に使う“激励のショートスピーチ”の事。“Pep”は英語で元気、活気、活力という意味。今回は治療家としての立場も考えた上で説明させて頂きました。ご了承下さい。